『風花雪月』は死者を手放す物語だったのか──カイの瞳と「冥界の受肉」から考える

※この記事には『ファイアーエムブレム 風花雪月』本編および、新作『FE万紫千紅』の公開情報に関する考察を含みます。

カイの父は助からないと思う

ひどい書き出しだと思う。

まだ発売もしていない。

父は現在「投獄されている」としか明かされていない。

普通に考えれば、主人公であるカイが父を助けるために戦い、無事救出して親子で再会する可能性だってある。

……でも、風花雪月なんだよな。

『風花雪月』をプレイした人なら分かると思う。

ジェラルトは死ぬ。

レアはソティスを取り戻せない。

ディミトリは死者の声に囚われる。

エーデルガルトもまた、失われた家族を抱え続ける。

『風花雪月』は、「大切な人を失う物語」であると同時に、「失った人をどう受け止めるのか」を描く物語だった。

だから、新作主人公カイの「父を助けたい」という願いを見た瞬間、私は思った。

ああ、たぶんこの父、助からないな。

もちろん、これは半分冗談だ。

しかし、新作PVには、少し気になる要素が存在している。

カイの瞳はなぜ変わったのか

公開されている立ち絵では、カイの瞳は金色に見える。

しかし、PV中で紫色の魔法を使用している場面では、瞳の色も紫色に変化しているように見える。

単なる演出かもしれない。

しかし、『風花雪月』では、力の発現と身体的変化が結びついて描かれることが少なくなかった。

もし、この瞳の変化が何らかの力の発現を意味しているのだとしたら。

それは、今回の作品のテーマに深く関わっている可能性がある。

「冥界の受肉」という言葉

さらに気になるのが、PV内で緑髪の女性が口にする言葉だ。

「さあ、祝うがいい。冥界の受肉を。」

この「冥界の受肉」が何を意味するのかは、現時点では分からない。

しかし、言葉通りに受け取るならば、それは死者や冥界に関わる現象である可能性が高い。

そして、ここで『風花雪月』本編に残された、ある謎を思い出す。

ネメシスは、なぜ蘇ったのか

翠風ルート終盤。

アガルタは、千年以上前にセイロスに討たれた英雄王ネメシスを復活させた。

しかし、本編では、

  • なぜネメシスを蘇らせることができたのか
  • どのような技術、あるいは力が使われたのか

について、詳細な説明はなかった。

だが『風花雪月』において、「死者を取り戻す」という行為は、実際に成立していた。

もし、新作で描かれる「冥界の受肉」が、この死者の復活に関わるものだとしたら。

それは、『風花雪月』で明かされなかった謎へ繋がる可能性がある。

『風花雪月』は、死者を取り戻したい人々の物語だった

振り返ってみると、『風花雪月』には、「失った人を取り戻したい」という願いが繰り返し描かれていた。

レアは、母であるソティスを取り戻そうとした。

ベレト/ベレスは、ジェラルトを失った。

ディミトリは、死者の声を背負い続けた。

エーデルガルトもまた、失われた家族を抱えていた。

そして今回、カイは父を救いたいと願っている。

もしカイが、父を救うために冥界に関わる力を手にするのだとしたら。

それは、『風花雪月』が描いてきた問いの延長線上にある。

死者を取り戻せるとして、それでも手放せるのか

『風花雪月』は、死者を蘇らせる物語ではなかった。

失ったものを抱えながら、それでも前へ進む物語だった。

レアは、長い年月をかけてようやくソティスへの執着と向き合った。

ディミトリは、苦しみながらも前へ進んだ。

もし新作が、このテーマを引き継ぐのだとしたら。

カイが最後に向き合うのは、

「父を救えるか」ではなく、「父を手放せるか」なのかもしれない。

おわりに

もちろん、現時点では何も分かっていない。

父は普通に助かるかもしれない。

瞳の色も、単なる演出かもしれない。

「冥界の受肉」も、まったく別の意味かもしれない。

ただ、『風花雪月』という作品を信頼しているからこそ、私はこう予想している。

そして、もし本当に父が助からなかったとしても。

『風花雪月』がそうであったように、その喪失をどう受け止めるのかこそが、『万紫千紅』の物語になるのかもしれない。

父は助からない。(確信)

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