紋章は、女神の祝福とされ
主に貴族が紋章を宿す。
紋章を宿した者は
強力な武器、英雄の遺産の使用が可能だ。
その力で、民を守る。
それが貴族の使命だった。
この貴族制度は、
フォドラで長きにわたり続いてきた。
しかし、紋章を持つ者は
紋章によって苦しめられ、
人生を歪ませられる。
紋章は、本当に女神の祝福なのだろうか。
古代戦争における紋章
前回の記事では、
闇に蠢く者が
女神の眷属(ナバテア)の遺骸を用い、
英雄の遺産と紋章を作り出した流れを書いた。
遺骸から作られた武器。
そして、それを扱える血を持つ人間。
それは人間を
兵器として運用するための仕組みだった。
紋章社会
しかし、ネメシスが敗北した後、
この紋章と英雄の遺産は
フォドラ社会の中に残ることになる。
・英雄の遺産
・ナバテアの血
・貴族制度
こうしてフォドラでは
紋章を持つ貴族が民を守る社会が生まれた。
しかしこの制度は、
ある矛盾を抱えていた。
紋章は祝福とされながら、
紋章を持つ者の人生を歪ませていくのだ。
禁忌の逆輸入
ネメシスが敗北した最大の理由。
それは
神の手による禁忌の逆輸入だった。
闇に蠢く者は
ナバテアの遺骸を用い
人に神の力を与えた。
それは神に対する冒涜であり
禁忌だった。
しかしタルティーンの戦いで
女神の娘セイロスは
同じことをする。
人間に血を与え、
ネメシスに対抗する力を与えたのだ。
これは
神自身による禁忌だった。
禁忌は繰り返される
タルティーンの戦いで起きた「禁忌の逆輸入」は、
それで終わったわけではない。
むしろフォドラの歴史では、
同じ禁忌が何度も繰り返されている。
セイロス教会 ― 枢機卿
レアは、自らの血と紋章石を用い、
人間をナバテアに近い存在へと作り替える。
枢機卿たちは
人間でありながら、
女神の眷属に近い存在として生み出された。
これは、
神の力を人間に与える行為であり、
古代戦争で行われた禁忌と同じ構造を持つ。
一方、闇に蠢く者は
さらに別の形で禁忌を進めていく。
彼らは人間に血を与えるのではなく、
紋章石のみを体内に埋め込むことで
人を魔獣へと変える方法を生み出した。
これは
古代戦争で行われた技術を、
より効率的な兵器として発展させたものだった。
紅花ルート ― 王国軍
そして戦争末期、
この技術はさらに別の形で使われる。
紅花ルートでは、
王国軍がこの兵器技術を採用し、
実戦で投入する。
紋章石によって人間を変質させ、
戦場の兵器として運用する。
それはもはや
神の祝福とは呼べないものだった。
だが、その場に居合せているレアは
そのことについて一切触れることはない。
彼女の中ではもはや、
禁忌が常態化していたのかもしれない。
繰り返される禁忌
古代戦争から千年以上が経っても、
フォドラでは同じ行為が繰り返されている。
神の血
紋章石
そして人間の改造。
形は違えど、
それらはすべて同じ構造を持つ。
紋章社会の歪み
こうしてフォドラでは、
紋章を持つ者が貴族として社会を支える制度が生まれた。
紋章を持つ者は
英雄の遺産を扱う力を持ち、
民を守る存在とされた。
しかし、この制度は
やがて別の形へと変わっていく。
紋章を持つ者は価値を持ち、
持たない者は価値を持たない。
婚姻、家督、そして子供。
すべてが紋章によって決められる社会。
紋章は祝福であるはずだった。
だがその祝福は、
多くの人間の人生を歪ませていくことになる。
結論
紋章は神の祝福ではない。
それは古代戦争において、
人間が兵器として使われていた痕跡なのだ。
▼続きはこちら

▼前の話はこちら

▼シリーズまとめはこちら


コメント