フォドラの歴史は、神話の時代だった。
女神が世界を救い、
セイロスが秩序を築き、
紋章は祝福として扱われた。
人々は、神の存在を前提として生きてきた。
しかし、その神話は終わりを迎える。
では、神なき世界を最初に選んだのは誰だったのだろうか。
神話を終わらせるという選択
エーデルガルトは、女神を否定した。
それは信仰への反発でも、
単なる権力闘争でもない。
「神が決める世界」を終わらせるという選択だった。
だが、神を否定するということは、
世界のあり方を誰かが決めなければならないということでもある。
神が撤退した世界で、
誰が責任を負うのか。
誰が未来を選ぶのか。
その問いから逃れることはできない。
神の仕事を引き受けた人間
エーデルガルトは革命家だった。
しかし、それだけではない。
彼女は、女神のいない世界で、
神の仕事を引き受けた人間だった。
世界の方向を決める。
秩序を作る。
責任を負う。
それは本来、神話の中では神が担ってきた役割だった。
セテスが「神になるつもりか?」と問いかけたのは、
傲慢さを非難したからではない。
それは確認だった。
「人の身で、それを引き受ける覚悟があるのか」と。
そしてエーデルガルトは、その問いに頷いた。
だからこそ、女神を否定した彼女は、
皮肉にも最も女神に近い場所へと立つことになった。
人であるということ
それでも、エーデルガルトは神ではない。
だからこそ、一人では完遂できなかった。
神は導く。
神は保証する。
神は救済する。
しかし、人間にはそれができない。
未来を保証することも、
正解を示すこともできない。
だから彼女には、「師」が必要だった。
ベレトは神の代理ではない。
未来を保証する存在でもない。
ただ、世界を担おうとする人間が、
人間であり続けるための補助線だった。
女神なき世界で、
最後に残された「人の手」だったのである。
神から人へ
神なき世界に、希望はない。
正しい未来は保証されない。
人は間違える。
争いも繰り返す。
それでも、人は選ぶことができる。
誰かに与えられた答えではなく、
自分たちで未来を決めることができる。
それは神話の時代にはなかったものだ。
フォドラの歴史は、
神から人へと受け渡された。
ネメシスは神へ反逆した。
レアは神話を終わらせることができなかった。
やみうごは過去を更新できなかった。
そしてエーデルガルトは、
人の身で世界を引き受けることを選んだ。
神なき世界に、希望はない。
だが、それでも選び続ける。
それが人間なのだ。
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