リュールはキャラではない──最初から“信仰される”理由【FEエンゲージ構造考察】

違和感

『ファイアーエムブレムエンゲージ』をプレイしていて、どうしても引っかかることがあった。

主人公リュールは、出会ったばかりの人々から強く慕われている。
信頼関係が築かれる過程が、ほとんど描かれない。

寝ている姿を見て信仰され、
出会った瞬間から、ほぼすべてのキャラにとって
“最も信頼できる特別な存在”になっている。

正直、かなり不自然だと感じた。
どうしてこうなっているのか。

観察

最初に登場するフランとクランをはじめ、
王子アルフレッドは、最初から神竜を信仰している。

本来は邪竜を信仰しているはずのアイビーですら、
密かに神竜への信仰を持っている。

つまりこの世界では、
「リュールを信仰していること」が前提になっている。

そして興味深いのは、
主人公自身だけがその状況を理解していない点だ。

構造

通常の物語では、
出会いがあり、関係が築かれ、信頼へと至る。

しかしエンゲージでは、これが逆転している。

最初に信頼(あるいは信仰)があり、
そこから出会いが発生している。

現実とは異なるこの構造は、
プレイヤーに違和感を与えやすい。

仮説

ではなぜ、このような構造になっているのか。

ひとつの可能性として、
リュールは“人物”ではなく
「象徴」として扱われているのではないだろうか。

象徴とは、目に見えない概念を
具体的な形で表したものだ。

たとえばハトが「平和」、
十字架が「キリスト教」を示すように、

リュールは
「神の手による救済」という概念を
人の姿に落とし込んだ存在なのかもしれない。

結論

そう考えると、
リュールが最初から信仰されていることにも説明がつく。

リュールはキャラクターというより、
「神竜」という役割そのものを背負った存在として登場している。

そして『エンゲージ』は、
人物の関係性を積み上げる物語というよりも、

最初から意味が与えられた存在たちが動く、
極めて神話的な構造を持った物語なのだと思う。

脳が焼けたら、そっと押してください

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この記事を書いた人

元個人事業主。
関係性オタクであり因果律職人。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×FE考察×一次創作
添削・相談もやってます。

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