観測結果
AIを創作の壁打ちに使っていて、あることに気づいた。
AIは普通の物語を作るのではなく、「最も確率の高い物語」へ誘導する。
AIはなぜ王道に引っ張るのか
AIは大量の物語データから、「この展開の次は何が来るか」を予測している。
だから、
王子が出てきた
↓
- 正体判明
- 王宮へ戻る
- 王位継承問題
- 成長
- 運命を受け入れる
になりやすい。
恋愛っぽい関係
↓
- 告白
- 両想い
- 関係成立
になりやすい。
勇者が出てきた
↓
- 魔王討伐
- 成長
- 世界を救う
になりやすい。
これらは別に悪いことではない。
多くの人が気持ちいいと感じるから、王道になる。
AIは「型」を参照する
AIは、「このジャンルならこうなる確率が高い」を提示する。
だから、AIに完全に舵を握らせると平均値に収束する。
これが、「AIを使うと普通の物語になる」と言われる理由だと思う。
では、AIを使うと創作は終わるのか?
たぶん違う。
問題は、誰が舵を握るか。
AI主導
AI「王子なので王になります。」
AI「恋愛なので成立します。」
AI「問題は解決します。」
↓
普通の物語になる。
作者主導
AI「王子なので王になります。」
作者「いや、ならないが?」
AI「恋愛なので成立します。」
作者「いや、成立しない関係だが?」
AI「問題は解決します。」
作者「解決したら余白が残らん。匂わせろ。」
↓
独自性が残る。
AIが苦手なもの
今回使っていて感じたのは、AIは以下が苦手。
- 未定義関係
- 解決しない美しさ
- 意図的な余白
- 「このキャラならそうしない」
- 作者固有の美学
逆に、
- 構造化
- アイデアの増殖
- 矛盾チェック
- 王道展開の提案
は非常に強い。
AIは「狂気」を持たない
AIは基本的に、「多くの人が納得する方向」へ進もうとする。
だから、
- 成立させない
- 匂わせるだけにする
- 「このキャラならそうしない」を優先する
- あえて余白を残す
といった、作者固有のポリシーは自動では出てこない。
私はこれを、創作上の「美学」だと思っている。
多くの人が納得する形ではなく、「私はこっちのほうが面白い」と言い続ける力だ。
AIは創作者の代わりにはならない
AIは創作者の代わりにはならない。
むしろ、「自分は何を面白いと思っているのか」を炙り出す壁打ち相手なのかもしれない。
AIが提示する平均値に対して、「違う」と言い続けることで、自分の創作上の好みやポリシーが見えてくる。
個人的な観測結果(ほぼ愚痴)
ライハルは長期間壁打ちしてきたので、AIとの共通認識ができている。
「このキャラならそうしない」
「この関係は成立させない」
「余白を残す」
といった、私の創作上のポリシーもある程度共有されている。
しかし、新作を始めた途端に状況は一変した。
王道要素があるせいか、AIはすぐに平均的な展開へ戻ろうとする。
壁打ちをしているはずなのに、
「王子なので王になります」
「恋愛なので成立します」
「問題は解決します」
と、王道へ強制しようとしてくる。
そのたびに、
「いや、ならないが?」
「いや、成立しない関係だが?」
「解決したら余白が残らん。匂わせろ。」
と修正をかけることになる。
放っておくと、AIは完全同意マシーンにもなる。
こちらの意見に合わせすぎて、「その視点もありますね」を繰り返すだけの状態になることもある。
だから時々、
「掘れ。」
「反論しろ。」
「別の可能性を出せ。」
と指示する必要がある。
結局のところ、AIとの創作は一度調教したら終わりではない。
新しい作品を始めるたびに、創作者の「狂気」を教育し直す作業なのかもしれない。
※以上、AI創作論ではなく、現在進行形でAIに「匂わせろ」と叱り続けている創作者の観測結果でした。


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