幼稚園のバス停へ迎えに行った帰り道。
子どもたちがダンゴムシを拾い始めた。
ひとつ見つけると、次。
次を見つけると、また次。
全然帰れない。
「見て見てー! 大きいの捕まえた!」
手のひらの上で丸まったダンゴムシを見せられる。
「これは大人サイズだな。性別はメスだ」
近くにいたバス停ママがびっくりした顔をした。
「なんでわかるの!?」
「背中を見ると、黄色い模様がある」
「ほんとだ! 面白〜」
みんなで子どもの手の中を覗き込む。
小さな手のひらの上に、大小、色艶も様々なダンゴムシが蠢いている。
単独で見るのはいいが、密集していると、少し気持ち悪い。
子どもはそのあとも次々捕獲していき、最終的に持ち帰ろうとし始めた。
さすがに家で大量飼育は困るので、途中の公園に寄って放流。
その場で逃がそうとしたら嫌がるのに、公園で放してあげようと言うと快諾するから不思議だ。
ダンゴムシの寿命は、平均2〜3年らしい。
意外に長生きだ。
新たな生活圏に放流されたダンゴムシたち。
新しい環境の中で新しい配合を繰り返し、強く逞しい個体が生まれるのだろうか。
でも、人間の都合で配置を変えることは、自然な生態系を壊すことになるのかもしれない。
私は北海道出身なのだが、まだ幼い頃、ダンゴムシはいなかった。
いたのはワラジムシだけ。
艶がなく、丸まらない。
図鑑で見たダンゴムシと同じものだと勘違いしてしまい、無理やり丸めようとして半分に折ったことがある。
あれは悪いことをした。
でも、少し大きくなってから公園に行って、ダンゴムシを見つけた。
運び込まれた土の中に潜んでいたんだろうか。
そうやって、人の都合で本来の構造に変化が生まれていく。
それが良いことなのか、悪いことなのかはわからない。
小さなダンゴムシを眺めながら、そんなことを考えていた午後。
