日記 #1|ダンゴムシ

幼稚園のバス停へ迎えに行った帰り道。
子どもたちがダンゴムシを拾い始めた。

ひとつ見つけると、次。
次を見つけると、また次。

全然帰れない。

「見て見てー! 大きいの捕まえた!」

手のひらの上で丸まったダンゴムシを見せられる。

「これは大人サイズだな。性別はメスだ」

近くにいたバス停ママがびっくりした顔をした。

「なんでわかるの!?」

「背中を見ると、黄色い模様がある」

「ほんとだ! 面白〜」

みんなで子どもの手の中を覗き込む。

小さな手のひらの上に、大小、色艶も様々なダンゴムシが蠢いている。

単独で見るのはいいが、密集していると、少し気持ち悪い。

子どもはそのあとも次々捕獲していき、最終的に持ち帰ろうとし始めた。

さすがに家で大量飼育は困るので、途中の公園に寄って放流。

その場で逃がそうとしたら嫌がるのに、公園で放してあげようと言うと快諾するから不思議だ。

ダンゴムシの寿命は、平均2〜3年らしい。
意外に長生きだ。

新たな生活圏に放流されたダンゴムシたち。
新しい環境の中で新しい配合を繰り返し、強く逞しい個体が生まれるのだろうか。

でも、人間の都合で配置を変えることは、自然な生態系を壊すことになるのかもしれない。

私は北海道出身なのだが、まだ幼い頃、ダンゴムシはいなかった。
いたのはワラジムシだけ。

艶がなく、丸まらない。

図鑑で見たダンゴムシと同じものだと勘違いしてしまい、無理やり丸めようとして半分に折ったことがある。
あれは悪いことをした。

でも、少し大きくなってから公園に行って、ダンゴムシを見つけた。

運び込まれた土の中に潜んでいたんだろうか。

そうやって、人の都合で本来の構造に変化が生まれていく。

それが良いことなのか、悪いことなのかはわからない。

小さなダンゴムシを眺めながら、そんなことを考えていた午後。

脳が焼けたら、そっと押してください

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この記事を書いた人

関係性オタク。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×一次創作
添削・相談もやってます。

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