【やみうご構造論Ⅲ】やみうごが完成させて、壊してしまった話

突然ガルグ=マクに現れた教師は、
入念に準備されてきた計画を次々と潰し、
しかも天帝の剣に適合していた。

それも、
本来あるはずの紋章石を欠いたままで。

天帝の剣を使えるということは、
炎の紋章を持つということだ。

高い戦闘能力を持ち、
しかも安定した状態を保ち、
壊れることのない人間。

ベレト(ベレス)は、
やみうごにとって
理想の完成形個体だった。

なぜ“合作”になったのか

理想の完成形個体は、
大司教レアのお気に入りであり、
やみうごにとっては明確な敵だった。

そのまま放置すれば、
計画を脅かす存在になることは確実だ。

だから、やみうごは
ベレト(ベレス)を消そうとする。

親を殺し、
感情的になったところを誘い出し、
世界から隔離してしまえば、
もう邪魔はされない。

天帝の剣も失われるが、
それは致し方ない。
そういう計画だった。

だが結果的にそれが、
ベレト(ベレス)と女神の融合を
促すことにつながった。

完全成功体は、
レアの愛情と執着、
「取り戻したい」という感情を土台に、
やみうごの技術と合理性、
そして「完成させたい」という執念によって
完成してしまったのだ。

なぜ壊されるしかなかったのか

完全成功体として女神と融合し、
覚醒したベレト(ベレス)は、
やみうごの想定どおり、
計画を脅かす存在となった。

王国や同盟、教会の味方をすれば、
直接叩き潰される。
帝国の味方をする場合でも、
途中までは同盟状態でありながら、
最終的には壊される。

なぜか。

それは、
彼らが
自分たちで止まることができない
存在だったからだ。

彼らは賢い。
自分たちの初期条件が
間違っていることにも、
気づいている。

だが、
修正ルートが存在しない。

止まれない。
引き返せない。
速度を落とす選択肢もない。

だから、
外部から止めるしかなかったのだ。

それでも、なぜ皮肉で
それでも、なぜかわいいのか

ベレト(ベレス)という存在は、
やみうごが「初めて自分たちの手で、
意図的に完成させようとした個体」であった。

しかも、更新不能な組織が
それでも更新を夢見てしまった存在だ。

なのに、それは完成した瞬間に
自分たちの思想を裏切り、
最終的に壊される。

ベレト(ベレス)は、
やみうごとレアの合作であるがゆえに、
どちらの理想も満たせない存在だった。

でもだからこそ、停滞していた世界は
前に進むことができた。

これが、やみうごの
最高に皮肉で、最高にかわいいところなのだ。

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この記事を書いた人

関係性オタク。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×一次創作
添削・相談もやってます。

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