ディミトリはエーデルガルトを破壊する装置だった

ディミトリは、悲劇の王子として語られることが多い。

だが、フォドラの歴史を文明史として見たとき、
彼の役割はまったく違って見えてくる。

ディミトリは、エーデルガルトを破壊する装置だった。

紋章の本質

フォドラでは紋章は『神の祝福』として扱われている。

しかし文明史の視点から見ると、
紋章はすでに滅びた古代文明の末裔であるアガルター闇に蠢く者が、
女神たちを滅ぼすために生み出した技術だ。

特に、ネメシスとフォドラ十傑は、
闇に蠢く者が作り出した
戦闘に特化した人間兵器であった。

つまり、紋章の本質は
人間兵器としての素質そのもの
なのだ。

十傑の血統は「戦闘能力の血統」

かつて十傑は、
政治家ではなく、戦士だった。

その血統はフォドラの貴族社会に残り、
強い紋章=高い戦闘能力という形で
受け継がれていく。

ディミトリが継いだブレーダットの血筋も
そのひとつだった。

ブレーダッド家の系譜

王国の始祖ルーグは、
十傑血統の中でも、
旗印になれる人物だった可能性がある。
彼は、豪快な戦士性とカリスマ性によって
王国独立を成し遂げた。

つまり、
かつて神の支配から人間を解放すべきと主張した
ネメシス系の戦士と同じタイプの血統が、
初代の王である獅子王ルーグから、
ブレーダッド家へ継がれていったという流れがある。

ディミトリの異常な戦闘能力

ディミトリの特徴は
• 異様な腕力
• 精神が崩壊しても戦闘可能
• 一人で潜伏し帝国軍を襲撃

などの
『人間離れした戦闘能力』である。

これは、王の資質というよりも
戦闘特化個体に近い。

実際、真面目で繊細な性格の彼は
手合わせや戦闘時になると
非常に楽しそうだし、生き生きとしている。

本人の望まない形で、
人間兵器としての素質が
色濃く残り続けているのだ。

ディミトリの抱える矛盾

ディミトリ本人は、
『良き王でありたい』
『騎士道を守りたい』
と願っている。
しかし彼の血統は、
戦うために作られた血を継いでいる。

つまり彼は、
本質は人間兵器であり
意思は良き王という矛盾を抱えて生きている。

ディミトリの物語

この視点で見ると、ディミトリの物語は

兵器としての血統

暴走(闇落ち)

人間として生き直そうとする

という物語になる。

つまり、ネメシス系統の遺産を持つ者が
人間に戻ろうとする物語でもあるのだ。

文明史の中のディミトリ

長く時代が経過することで、
すでにネメシスの思想は消えているが、
人間兵器の血統は残り続けている。

ディミトリは、
ネメシスの思想の継承者ではない。

しかし、
ネメシスの遺産を最も強く受け継ぐ人物
と見ることができる。

ディミトリの存在意義

そんなディミトリだが、
幼少期から闇に蠢く者たちの工作により、
エーデルガルトに対し強い憎しみを抱くよう
仕込まれている。

実際彼は、第二部になると
執拗に彼女の首を狙い、
そのためだけに前へ進んでいく。

一方エーデルガルトは、
教会を倒すという目的を達した後に、
闇に蠢く者を滅ぼそうと考えていた。

エーデルガルトの持つ女神の力は、
闇に蠢く者にとっても脅威だ。

だから闇に蠢く者は、
エーデルガルトの手により女神の一族を滅ぼさせ、
後から彼女を
ディミトリに討たせるつもりだったのではないだろうか。

エーデルガルトが、
既存のセイロス教を破壊する装置だとしたら、
ディミトリの方は、エーデルガルトを破壊する装置だ。

闇に蠢く者は、長い時間をかけて
この盤面を完成させた。
きっと、自分たちの成功を確信していたことだろう。

フォドラを守るもの

それでもディミトリは、
先生や仲間たちの支えにより、
本来の自分を取り戻す。

それは、周りから方向づけられたものではなく
自らが望み、
自分の意思で選びとった結末だった。

フォドラの世界の歪みという“毒”を
すべて飲みこみ
彼は王として立つ。

良き王となりたい。
大切なものたちを守りたい。
それが、本来の彼の姿だから。











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この記事を書いた人

関係性オタク。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×一次創作
添削・相談もやってます。

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