アンノーンはポケモン世界のコードなのか――人間とポケモンの関係まで考えたら、世界の仕様が怖くなった

今日はゆっくりしようと思って、YouTubeでポケモンのBGM動画を見ていた。

でも気づけば、ポケモン考察動画に飛んでいた。

そしてアンノーンの話を見ていたら、妙なところまで考えが飛んでしまった。

――アンノーン。

アルファベットのような形をした、古代遺跡に現れるポケモンだ。

一見すると「変わったポケモン」でしかない。

ところが、こいつを真面目に考え始めると、ポケモン世界そのものが妙なものに見えてくる。

アンノーンは「文字」ではなく、世界を記述するものなのではないか

アンノーンについては、以前から「ポケモン世界を構成するコードなのではないか」という考察がある。

姿そのものが文字に似ており、複数の形がある。

また、古代遺跡に存在し、電波による通信を行う。

文字と情報と通信が、なぜか全部こいつに集まっている。

そして『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』には、かなり意味深なイベントがある。

シント遺跡。

ここでアルセウスを一匹だけ手持ちに入れてイベントを起こすと、アルセウスがディアルガ、パルキア、ギラティナのいずれかを無から生み出す。

その創造の演出に、アンノーンが関わっている。

ここから、こんな読み方ができる。

アルセウスは「何を作るか」を決める存在。

アンノーンは、それを実際に形にする存在。

つまり、

アルセウス=命令・設計

アンノーン=実行・具現化

という構造だ。

神が世界を創る。

その「神の腕」にあたるものがアンノーン。

これは神話として読んでも面白いけれど、メタ的に読むともっと分かりやすい。

プログラマーが命令を出し、コードが実行する。

そう考えると、アンノーンは「文字」ではなく、世界を記述するコードなのではないだろうか。

ここまでは、まあ分かる

アンノーン=世界のコード。

この考察自体は、すでに考えている人がいる。

私が面白いと思ったのは、ここからだ。

もし本当にアンノーンが世界を構成するコードのようなものだとしたら。

そのコードは、世界の何を定義しているのだろう?

ポケモンの存在? 技? それとも進化?

それとも――

人間とポケモンの関係そのもの?

ポケモンと人間は、妙にうまく共存している

ポケモン世界の人間とポケモンは、基本的に協力関係にある。

ポケモンは人間の仕事を手伝い、代わりに人間はポケモンを育てる。

トレーナーとポケモンはパートナーになる。

トレーナーはポケモンを養い、もし怪我をすればすぐに治療できるシステムが社会に構築されている。

そしてポケモンは、人間の指示を理解して戦う。

だが、すべての人間が善良なわけではない。

他人のポケモンを奪って、犯罪に利用したり、戦力として悪用するような悪の組織も存在する。

だから『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』でNが「人間とポケモンの関係は本当に正しいのか」と疑問を抱いたことには、一定の説得力がある。

人間がポケモンを捕まえ、ボールに入れ、戦わせる。

外から見れば、かなり一方的な関係にも見える。

けれど、ポケモン世界全体を見ると、どうもそう単純ではない。

ポケモン自身も人間を信頼して、パートナーとして一緒に暮らしているように見える。

つまり、この世界の標準状態は、

人間がポケモンを支配すること

というより、

人間とポケモンが互いの能力を利用して、一つの文明を作ること

なのだと思う。

でも、ポケモンの「従い方」は妙におかしい

ここでゲームのシステムを、あえて生物として考えてみる。

トレーナーがポケモンをボールから出す。

するとポケモンは戦う。

自分が傷ついても戦う。

トレーナーが指示すれば、戦闘不能になるまで戦う。

これ、よく考えるとちょっと異常ではないだろうか。

現実の生物なら、「自分が死ぬかもしれないから、この命令には従わない」という判断をすると思う。

繁殖期のオス同士の争いだって、相手を気絶させるまで攻撃したりはしない。

力を示せば、負けた方が引く。

ところがポケモンは違う。

トレーナーとの信頼関係があるから戦う、と考えることはできなくはない。

しかし、それだけでは説明しきれない部分もある。

なぜなら、トレーナーの命令に従わないポケモンも存在するからだ。

バッジが足りない状態で、高レベルのポケモンや人から譲り受けたポケモンを使うと、言うことを聞かなくなる。

だが、「言うことを聞かない」と言っても、「嫌だから戦闘から逃げる」わけではない。

命令された技を出さずに勝手な技を使ったり、命令を無視して居眠りしたりする。

つまり、

トレーナーへの服従そのものには反抗できる。

しかし、

「トレーナーと戦闘する」という枠組み自体からは逃げない。

ここが妙におかしい。

ポケモンは、人間の命令に完全服従する生物ではない。

それなのに、人間とポケモンがトレーナーとパートナーになるという関係そのものは、極めて自然に成立している。

そもそも、ポケモンは人間を殺せる

さらに考えてみる。

ポケモンの能力は、人間より圧倒的に強い。

炎を吐く者もいれば、雷を落とす者もいる。

超能力や毒も操るし、怪力を持つ者もいる。

種によっては、天候や空間そのものに干渉する。

普通に考えれば、人間なんて簡単に殺せる。

それなのに、ポケモンは人間を支配しない。

むしろ――信頼している。

人間社会の中で一緒に暮らすし、人間の指示には極めて従順である。

ここから考えると、人間とポケモンには、最初から役割分担があるのではないかと思えてくる。

人間は、知性と文明を持っている。

言語を操り、道具を作って、社会を構築し、知識を蓄積する。

一方でポケモンは、人間にはない超常的な能力を持つ。

つまり、人間の知性と、ポケモンの能力。

この二つが組み合わさることで、ポケモン世界の文明が成立している。

だから「人間がポケモンを使役している」というより、

人間とポケモンが、それぞれ単独では持っていないものを補い合っている

と考えたほうが自然なのかもしれない。

では、この関係は誰が決めた?

ここで、アンノーンの話に戻る。

もしアンノーンが世界を記述するコードなのだとしたら。

もしアルセウスが世界を設計し、アンノーンがその命令を実行しているのだとしたら。

ポケモンの「仕様」も、その中に含まれているのではないだろうか。

ポケモンは技を使い、経験を重ね進化する。

ボールに入って過ごすことを許容し、トレーナーの指示を理解する。

そして、人間とパートナーになる。

これらが全部、この世界の「自然法則」なのだとしたら。

人間とポケモンが協力することも、自然法則の一部なのではないか。

つまり、

「人間とポケモンが長い歴史の中で仲良くなった」

のではなく、

「人間とポケモンが協力するように、最初から世界が作られている」

のではないか。

Nは、世界の「仕様」を疑ったのかもしれない

そう考えると、Nの立場が少し違って見えてくる。

Nは、人間とポケモンの関係を見て、「これは本当にポケモンの自由なのか?」と疑った。

その疑問自体は間違っていない。

ポケモンを悪用する人間は実際に存在するし、ポケモンが人間の命令で傷ついている場面もある。

だからこそ、Nの思想には説得力があった。

けれど、もし人間とポケモンの協力関係そのものが、この世界の基本仕様だったとしたら。

Nが疑っていたのは、単なる社会制度ではなく、

世界の仕組みそのものだったのかもしれない。

「ポケモンは人間と共に生きる」

「トレーナーの指示を理解する」

「戦闘によって成長する」

「ボールに入る」

「進化する」

それらが「自然」なのではなく、

そうなるように世界が書かれている。

そして、そのコードがアンノーンなのだとしたら

アンノーンは、文字のような姿で古代遺跡に存在し、仲間間で通信する。

そして、世界を創造するアルセウスの「腕」のように、創造を実行する。

もしこいつが、本当に世界を記述するコードなのだとしたら。

私たちがポケモン世界で「自然なこと」だと思っているものの中にも、アンノーンによって書かれた仕様があるのかもしれない。

人間とポケモンが協力することも。

ポケモンがトレーナーの命令を理解することも。

傷ついても戦うことも。

進化することも。

そして――

「ポケモン」という存在そのものも。

そう考えると、アンノーンはただの不思議なポケモンではなくなる。

あいつは、

この世界を構成するプログラムそのものなのではないか。

そう思って改めてアンノーンを見ると、

「なんか目玉が一個あって不気味だな」

くらいだったはずの存在が、

「この世界、こういうプログラムなんすよ」

と言っているように見えてくる。

……怖い。

ポケモン、子ども向けゲームじゃなかったのかもしれない。

いや、たぶん子ども向けゲームである。

ただし、掘ろうと思えばどこまでも掘れるように作られている。

そして私は、BGMを聴いていただけだったはずなのに、なぜか世界のプログラムについて考えている。

……うん、いつものことだった。

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この記事を書いた人

元個人事業主。
関係性オタクであり因果律職人。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
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構造分析×FE考察×一次創作
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