幼い頃、主君が敵国に連れ去られるところを目撃していた。
仕えるべき人を救うことができなかったどころか、見ていたのに気づかなかったのだ。
言葉にならない。自分のあまりの愚かさに。
そして、
そのことをずっと誰にも言えずにいるーー
スズカゼという人間の核
スズカゼは、「主を救えなかった」という深い後悔を長年抱え続けていた。
そして敵国に捕虜として捕えられ、かつて救えなかった主と再会してしまう。
一見感動的に見えるが、
本人は「死ぬ前に自分の失態を目の当たりにした」と感じたかもしれない。
ここでカムイに救われた彼は、過去に自分がでにきなかった「やり直し」を始める。
カムイを祖国へ連れていき、静かに側に使える。
彼は、過去の過ちを抱えたまま生き直すために、自分の身を差し出す。
過去のことは何も言わず、淡々と。
それが、彼の在り方なのだ。
暗夜という環境
カムイが暗夜ルートに進んだ場合、スズカゼはまたカムイと離れてしまうことになる。
これは「過去の過ちを抱えたまま生き直す」
という唯一の罪滅ぼしの道が閉ざされたということ。
彼にとってはそうとう辛い状況であったことは想像に難くない。
しかし、そんな彼に再びチャンスが訪れる。
戦場で敵としてカムイと再会するのだ。
スズカゼは、祖国を裏切ってカムイの下につくことを決断する。
暗夜ルートでのスズカゼは、祖国を捨て、裏切り者とされてもカムイの側にいることで、自らの罪滅ぼしを完成させる。
白夜という環境
カムイが白夜ルートに進んだ場合、カムイは共に育ったきょうだいたちと別れ、そのまま白夜に留まることとなる。
スズカゼは元の場所のまま、
側に仕えることで罪滅ぼしを続ける。
しかし彼は、長年後悔を抱え続けたために、ただ仕えるだけでは気が済まなくなっていた。
その結果彼は、カムイが崖から落ちた時に身を挺して助け、命を落とす。
それは、彼が長年抱えてきた後悔を、唯一かたちにできる瞬間だったのかもしれない。
なぜ白夜の死が“孤立”して見えるのか
白夜ルートでのスズカゼの死は、
誰かの選択の結果として起きたものではない。
カムイの決断でもなく、
世界から要求された犠牲でもない。
それは、差し出す場を失った人間が、
それでも差し出そうとした結果として、
ただ起きてしまった出来事だった。
それでも彼は一貫している
彼は因果を閉じるため、
何かを差し出さずにはいられなかった。
たとえ、それで
自分が壊れてしまうのだとしても。
白夜でのスズカゼの死を、より効かせるものにしたい…。
そんな思いで書きました。
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