闇に蠢く者(以下「やみうご」という。)は、普通にゲームを遊んでいると、
最後まで全体像が見えない存在だ。
それは彼らに関する情報が断片的に描かれているから、ということもあるが、
そもそも“そういう立ち位置”の存在だからだ。
やみうごとは何者か
やみうごは、
女神側と大昔から対立してきた古代文明の末裔だ。
現在のフォドラの国々が生まれるよりも前から存在し、
歴史の表舞台には立たず、
地下から世界に干渉し続けてきた。
彼らは国を直接支配しない。
王にならないし、英雄にもならない。
代わりに、王家を内側から侵食し、
戦争の火種を撒き、
技術と情報で世界を歪める。
そうやって、
フォドラという大地を長い時間をかけて毒してきた存在だ。
だからやみうごは、
どのルートでも「敵」ではあるが、
常に前面に出てくるわけではない。
むしろ、
見えないまま物語を動かす側にいる。
なぜ表に出てこないのか
やみうごは、強力な呪術を用い、
空から巨大な槍を降らせるなど、
非常に発達した科学技術を持っている。
にもかかわらず、
彼らは地深くに潜り、姿を隠している。
なぜか。
それは、やみうごが
かつて女神によって滅ぼされた過去を
持つからだ。
個体数を大きく減らした彼らは、
再び実体を掴まれないよう、
隠れて暮らし、技術を磨き続けてきた。
そして、人間たちに
女神の眷属の力を与え、
代理戦争をさせている。
人間に姿を変え、
内部から干渉することも多い。
たとえば、
帝国から王国が生まれた過程にも、
やみうごが関与していたと考えられる。
国を分裂させ、
争いの火種を仕込みやすくするためだろう。
それが、古来からの彼らのやり方なのだ。
ルートごとの扱われ方(紅花/蒼月/金鹿)
紅花(黒鷲)
前半は、ほとんど語られない。
やみうごは「背景の存在」に近い。
後半は、帝国軍と同盟状態で進む。
ただし思想的な共有はなく、あくまで教会を倒すと言う利害の一致。
決着は後日談で語られるのみだ。
処理はされているが、過程が見えないため、
消化不良を感じやすい構成になっている。
蒼月(青獅子)
前半は、王家への侵食が示唆され、個人的な因縁として姿を見せる。
脅威はかなり近い位置にあることの表れだ。
後半では、
帝国とやみうごの関係が察せられるが、
全体像は最後まで明かされない。
やみうごを完全に潰すこともできないが、
その毒すらも、ディミトリが飲み込むという結末を迎える。
構造は見えないまま、感情で処理される構成だ。
翠風(金鹿)
前半は、級長クロードの関心が教会と世界の構造に向いており、帝国とやみうごの関係は表に出にくい。
後半、ヒューベルトの情報提供により排除には成功する。
ただし、やみうごの思想や、人間の悲しみまでは回収されない。
世界は前に進むが、フォドラの悲しみは残る。
理解は進むが、救済はない構成だ。
共通点:どのルートでも全容が見えない
このように、どのルートを進めても、単体ではやみうごの全容が見えない設計となっている。
だから、エンディングが「消化不良」に感じるし、すべてのルートをプレイしても、出てくる情報は断片ばかりで、すべてを掴むことが難しい。
やみうごは「単体では全容を掴めない」存在
これは、物語の作りが粗いからでも、
やみうごの描写が不足しているからでもない。
そもそも、やみうごという存在が
「単体では全容を掴めない」
そういう構造で作られているからだ。
なぜ、完成できないのか。
なぜ、更新できないのか。
その答えは、
やみうごの思想そのものにある。
それについては、
次の記事で詳しく書いている。


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