#4日常の始まり

一次創作『ラクリマ・ディアの連結子』の第一章です。

ある守護者と、世界を守る役割を担う存在が出会い、まだ何も失われていなかった頃。

日常を重ねていくまでを記録しています。

◾️あらすじ

港町でトラブルに巻き込まれた魔導士ハルモンは、“獣哭のカライス”と呼ばれる騎士に助けられる。

この出会いが、
二人の奇妙な関係の始まりだった。

――それが、すべての始まりだった。

その後、ハルモンは数ヶ月に一度、カライスの住む街を訪れるようになる。

彼は人目を避けるために宿を隣町に取り、さらに顔を半分ほど覆うフードが付いた外套を身につけるようになった。

そのため、前ほど目立つことはないと思うのだが、俺は相変わらず『護衛』として彼の後ろに立っている。

その日も、ハルモンの作る『意味があるのかないのか分からない薬の話』を聞かされながら、港の市場を連れ回された。

そしてその帰り際。

「今日は君にプレゼントがあるんだ」

ハルモンはそう言うと、大きい鞄を地面に置いた。

ゴソゴソと、手探りで何かを取り出そうとしている。

「……プレゼント?」

「うん。しばらくここに通ってて思ったんだけど、せっかく来るなら、事前に君の非番の日を知りたいなーと思ったんだ」

そう言うと、鞄の中から手のひらに乗るくらいの青い石を取り出した。

「それ……魔道具か?」

「うん。これは《連結子(リンク)》って言ってね、最近開発されたやつなんだ。遠くにいる人と会話ができるよ」

「遠くにいる人と、会話?」

「そう。僕も同じ物を持ってるんだ。相手からこの道具で連絡が来ると、少し光って温かくなる。手に乗せたら、もう喋れるからね」

「なるほど……?」

「これ、材料が貴重でけっこう珍しい品物だから。大切に扱うように! ……それじゃ、またね!」

「あ、おい……」

ハルモンはこちらに手を振ると、フードを深く被り直して行ってしまった。

俺は、押し付けられたそれに視線を落とす。

(流れで受け取ってしまった……)

事前に連絡を取れるのはたしかに便利だろう。
……いや、便利とは……?

少し考えたが、俺はハルモンの話を否定できなかった。

俺は息を吐くと、それをポケットにしまった。












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この記事を書いた人

関係性オタク。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×一次創作
添削・相談もやってます。

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