「成立しない関係」を書きたい人へ――感情の話をする前に、少しだけ設計の話を
物語の中には、読み終わったあとも
なぜか頭から離れない関係があります。
特別な別れがあったわけでもない
はっきり叶わなかったとも言い切れない
なのに、何度も思い返してしまう。
それはたいてい、
感情が強かったからではありません。
今日は
「成立しない関係」を
センスや才能ではなく、
構造の話として考える入口だけを置いておきます。
これは恋愛論ではありません
ここで扱うのは、
• 可哀想な関係
• 障害のある恋
• 悲劇的なすれ違い
ではありません。
むしろ、こういう関係です。
条件はそろっている
想っているかどうかも断定できない
それでも、成立させない選択がなされている関係
このタイプの関係は、
感情で説明しようとした瞬間に
少しずつ力を失っていきます。
STEP 0|最初に「使わない理由」を決める
成立しない関係を書こうとすると、
多くの人が無意識に
“分かりやすい理由”を選びます。
• 不幸だったから
• 障害があったから
• 周囲に反対されたから
• 時間が足りなかったから
どれも間違いではありません。
ただ、こう思われてしまうことがあります。
それは
「成立しなかった」のではなく
「成立できなかった」のでは?
この瞬間、
関係は「選択」ではなく
「状況の結果」になります。
STEP 1|成立条件を、先に全部そろえる
少しだけ、冷静な作業をします。
あなたの物語で
本来なら関係が成立する条件を
感情を使わず、事実だけで書き出してください。
たとえば、
• 会える
• 話せる
• 協力できる
• 時間はある
• 明確な禁止はない
ここでは
「なぜ成立しないか」は考えません。
成立できる状態を、いったん完成させる。
これをやらないまま理由を置くと、
読者はどこかで
「仕方なかった話」と受け取ってしまいます。
よくある、やさしい落とし穴
条件を洗い出したあと、
多くの人がここでつまずきます。
落とし穴①|「可哀想」を理由にする
• どうしようもなかった
• 仕方がなかった
• それしか道がなかった
書きやすく、理解もされやすい。
でもその分、
関係は静かに閉じてしまいます。
落とし穴②|「想っている」を言葉で確定する
• 独白
• 告白
• 回想での補足
感情を言い切った瞬間、
関係の定義は作者のものになります。
読者は
考えなくてよくなる。
少しだけ、確認してみてください
いま考えているプロットで、
• □ 不成立の理由を「不幸」で説明していないか
• □ 感情語で関係を確定させていないか
もしYESがあっても、
それは失敗ではありません。
まだ、設計の前半にいるだけです。
では、理由はどこに置くのか?
条件はそろっている
不幸でもない
感情も断定していない
それでも、成立させない。
そのとき理由は、
• 感情の中ではなく
• 出来事の中でもなく
• 構造の中に置かれます。
何が壊れるのか
なぜ選べるのに選ばないのか
成立しなかったあと、関係はどう残るのか
この先は、
設計図の後半です。
※このシリーズでは
将来的に、個別の構成チェックや
コーチングも予定しています。
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なお、現在執筆中の実作で、この構造を使っています。
▼『ラクリマ・ディアの連結子』

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