#2獣哭のカライス

一次創作『ラクリマ・ディアの連結子』の第一章です。

ある守護者と、世界を守る役割を担う存在が出会い、まだ何も失われていなかった頃。

日常を重ねていくまでを記録しています。

◾️あらすじ

港町でトラブルに巻き込まれた魔導士ハルモンは、“獣哭のカライス”と呼ばれる騎士に助けられる。

この出会いが、
二人の奇妙な関係の始まりだった。

――それが、すべての始まりだった。

振り向くと、背が高く大柄の男がいた。

僕の周りを取り囲んでいた粗暴な男たちは、その姿を見て後ずさる。

「おい、まずいぞ……。あいつは”森を歩く災い”を一人で倒したって有名な……!」

「まさか、『獣哭のカライス』か!?」

そう言うと、男たちは怯えたようにすぐ逃げ出した。

大柄の男は、「全く……」と深く息を吐き、走り去る男たちを見ていた。

僕は彼に近付いて、軽く頭を下げる。

近づくと、本当に背が高い。
僕もそんなに小さくはないはずだけど、見上げる形になった。

「助かりました!ありがとう」

すると、彼は少し驚いた顔をした。

「別に。……お前、男なんだな」

その言葉に、思わず苦笑いしてしまう。

「……それ、よく言われるよ」

大柄の男は「気をつけろよ」と言い残すと、スタスタとその場を立ち去って行った。

僕は、その後ろ姿を少しの間眺める。

彼は、周りの人たちと比べて、頭ひとつ分くらい背が高い。

無駄のない歩き方で、その立ち振る舞いだけで強そうに見えた。

(すごいな……。騎士、とかなのかな)

彼は歩きながら、通行人や店の人と会釈したりもしている。

たぶん、この街の人間なのだろう。

小さく息を吐く。

(……ちゃんとここに来た目的を果たさないとね)

僕は気を取り直し、薬の材料探しを再開した。

市場を騒がしていた海賊を追い払った後、俺は予定していた買い物を済ませ、家に帰ろうとしていた。

すると、市場の方から悲鳴や罵声が飛んできた。

「……一体何の騒ぎだ」

今日は非番なので行く必要はない。
だが、もはや諍いを仲裁することは習慣になっていた。

道の途中、知り合いを見つけて声をかける。

「何があった?」

「ああ、カライス!何でもすごい美人がいるって聞いて見に来たんだ」

「……まさか……」

脳が焼けたら、そっと押してください

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この記事を書いた人

関係性オタク。
成立しない関係を、成立させてしまう物語。
救いより納得。
読むと、脳が焼けます。
構造分析×一次創作
添削・相談もやってます。

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